この記事では、20代のボーナス平均額を年齢・男女・企業規模・学歴・業種の5軸で整理します。厚生労働省の最新調査をもとに、平均値だけでは見えない中央値、額面から引かれる金額、そして支給額を上げるための現実的な手段まで扱います。
20代のボーナス平均は年間41万〜73万円【最新データ】
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、20代のボーナス(年間賞与その他特別給与額)の平均は次のとおりです。
| 年齢 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 41.2万円 | 44.9万円 | 37.0万円 |
| 25〜29歳 | 72.7万円 | 79.1万円 | 64.7万円 |
| 30〜34歳 | 89.4万円 | - | - |
| 全年代平均 | 100.9万円 | - | - |
ここで一点、押さえておきたい前提があります。この調査でいう賞与は2024年1月から12月までの1年間に実際に支払われた金額です。調査自体は2025年7月に実施され、公表は2026年3月でした。統計には常にこの時間差があるため、直近の景気が数字に反映されるまでには1年半ほどかかります。
20〜24歳と25〜29歳で1.8倍の差がつく理由
41.2万円と72.7万円。同じ20代でも、前半と後半では約1.8倍の開きがあります。この差は昇給だけで説明できるものではありません。
- 20〜24歳には入社1年目が多く含まれる。多くの企業で初回の夏賞与は査定期間が足りず、寸志(5万〜10万円程度)や支給なしになる
- 2年目以降は満額支給となり、年2回分がまるごと計上される
- 賞与は基本給に支給月数を掛けて算出する企業が多く、基本給が上がると賞与も連動して増える
つまり20〜24歳の41.2万円という数字は、「1年目のほぼゼロ」と「4年目の満額」が混ざった平均です。入社2年目で40万円台なら、実質的には平均より上に位置していると考えて差し支えありません。
全年代平均100.9万円と比べた20代の位置
全年代の平均は100.9万円で、ピークは45〜49歳の122.3万円です。20代後半の72.7万円は、ピーク時のおよそ6割にあたります。
この比較で焦る必要はありません。賞与は基本給に連動する以上、勤続年数と役職が上がれば自然に増えていく性質のものだからです。20代で見るべきは絶対額ではなく、自社の賞与が年齢とともに伸びる設計になっているかどうかです。
平均だけ見ても実態はつかめない|20代の中央値は年間72万円
「20代のボーナス平均」を調べた人の多くが、平均値だけを見て自分の位置を判断しようとします。ここが最大の落とし穴です。
転職サービスdodaの調査では、20代のボーナス中央値は年間72万円(夏38万円・冬35万円)でした。中央値とは、全員を金額順に並べたときにちょうど真ん中に来る人の額です。
| 年代 | 中央値(年間) | 夏 | 冬 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 72万円 | 38万円 | 35万円 |
| 30代 | 92万円 | 42万円 | 45万円 |
| 40代 | 100万円 | 50万円 | 50万円 |
| 50代以上 | 118万円 | 50万円 | 50万円 |
平均値が上振れする仕組み
ボーナスには上限がありません。同じ20代でも、外資系金融やインセンティブ型の営業職では年間200万円を超える人がいます。一方で下限は0円で、それ以上は下がりません。
この非対称性のせいで、高額な一部の層が平均値を上に引っ張る構造になります。実際、学歴別に見ると大学院卒の平均は213.3万円、中学卒は54.4万円と4倍近い開きがあり、こうした分散の大きさがそのまま平均値の歪みにつながっています。
平均を下回っていても異常ではないケース
平均以下だと分かった瞬間に「自分の会社は良くないのかもしれない」と結論づけてしまう人がいます。ただし次のいずれかに当てはまるなら、金額だけで判断するのは早すぎます。
- 入社1〜2年目で、査定期間がまだ短い
- 賞与を抑える代わりに月給を厚くしている給与設計になっている
- 従業員数が少ない企業に勤めている(規模による差は後述のとおり非常に大きい)
判断材料にすべきは、賞与単体ではなく年収全体です。月給が高く賞与が低い会社と、月給が低く賞与が高い会社では、年収が同じでも賞与額は倍近く違って見えます。
【条件別】20代のボーナス平均額
男女別|20代後半で約14万円の差
20〜24歳では男性44.9万円・女性37.0万円、25〜29歳では男性79.1万円・女性64.7万円です。20代後半で約14万円の差が生じています。
この差の主因は性別そのものではなく、就いている業種と職種の分布です。賞与水準の高い製造業・建設業・金融業は男性比率が高く、賞与水準の低い宿泊・飲食サービス業や医療・福祉は女性比率が高い傾向があります。業種を変えると賞与額が大きく動くのは、ここに理由があります。
企業規模別|大企業と小規模企業で2.6倍
全年代のデータですが、企業規模による差は年齢差よりも大きく出ます。
| 従業員数 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 140.5万円 | 170.3万円 | 89.0万円 |
| 5〜9人 | 53.4万円 | 56.6万円 | 48.6万円 |
その差は約2.6倍。同じ年齢・同じ職種でも、勤め先の規模が変わるだけでこれだけ動きます。大企業の実額で見ると、たとえば旭化成の20代一般職のボーナスは年間70〜100万円が目安とされており、賞与は年間で基本給の約6ヶ月分という設計です。支給月数そのものが中小企業と違う点が、この差の正体です。
学歴別|大学院卒と中学卒で4倍近い開き
学歴別では大学院卒が213.3万円で最も高く、中学卒が54.4万円で最も低くなっています。ただしこれは学歴そのものへの評価というより、大学院卒が製薬・化学・電機といった賞与水準の高い業種の研究開発職に集中していることの反映です。
業種別|電気・ガス業が最高、飲食サービス業が最低
業種別で最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業、最も低いのは宿泊業・飲食サービス業です。同じ20代・同じ勤続年数でも、業種が違えば年間で50万円以上の差がつくことも珍しくありません。
個別企業まで下りると差はさらに開きます。たとえば前田建設工業では20代後半で年収550〜680万円という水準で、これは賞与を含む金額です。業種の平均値だけで判断せず、志望する企業の水準まで確認しておくと精度が上がります。
20代のボーナス手取りはいくら?額面の約8割が目安
初めてボーナスを受け取った人が驚くのが、明細の額と口座に入る額のズレです。手取りは額面のおよそ8割と考えておくと大きく外しません。
| 額面 | 控除額の目安 | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 30万円 | 約5.5万円 | 約24.5万円 |
| 36万円 | 約6.5万円 | 約29.5万円 |
| 50万円 | 約9.1万円 | 約40.9万円 |
| 70万円 | 約12.7万円 | 約57.3万円 |
上記は40歳未満・扶養家族なし・協会けんぽ加入を前提とした目安です。所得税の税率は前月の給与額によって変わるため、実際の金額は明細で確認してください。
ボーナスから引かれる3つの社会保険料と所得税
- 健康保険料:都道府県ごとに料率が異なり、労使折半後で約5%
- 厚生年金保険料:折半後9.15%で全国一律
- 雇用保険料:一般の事業で0.5〜0.6%程度
- 所得税:社会保険料を差し引いた後の額に、前月給与から決まる税率を掛ける
介護保険料は40歳から徴収が始まるため、20代では対象外です。40歳を境に手取り率が1.5ポイントほど下がる点は、将来の資金計画を立てるときに覚えておくと役立ちます。
住民税が引かれない理由
ボーナスの明細に住民税の欄はありません。住民税は前年の所得をもとに年税額を確定し、それを12分割して毎月の給与から天引きする仕組みだからです。
ただし免除されているわけではなく、賞与を含めた前年の所得が翌年6月からの住民税に反映されます。賞与が増えた翌年は月々の手取りが減るため、想定しておくと慌てずに済みます。額面と手取りの関係をより広く把握したい方は、年収420万円の手取り額と生活水準も参考になります。
実は約4社に1社は夏のボーナスを支給していない
平均額の記事はどれも「もらえる前提」で書かれていますが、統計はそうなっていません。
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、2025年夏季賞与を支給した事業所の割合は73.4%でした。裏を返せば、約4社に1社は夏のボーナスを支給していないことになります。
| 項目 | 2025年夏季 |
|---|---|
| 支給事業所の1人平均 | 426,337円(前年比+2.9%) |
| 全事業所の1人平均 | 360,681円(前年比+3.2%) |
| 支給した事業所の割合 | 73.4% |
| 支給された労働者の割合 | 84.6% |
支給事業所の平均42.6万円と、支給なしを含めた全体平均36.1万円。この6.5万円の差が、賞与を受け取れなかった層の存在を示しています。ボーナスは法律で義務づけられた賃金ではなく、就業規則や労働契約で定めた場合にのみ支払われるものだからです。
2026年夏は大手で初の100万円超|20代への波及は限定的
日本経済団体連合会が2026年7月に公表した夏季賞与の第1回集計では、平均妥結額が100万8,706円(前年比1.88%増)となり、1981年の調査開始以降で初めて100万円を超えました。5年連続の増加です。
- 製造業:106万434円(前年比1.63%増)
- 非製造業:86万4,712円(前年比4.01%増)
- 集計対象:従業員500人以上の大手のうち19業種112社
注意したいのは、この数字が従業員500人以上の大手企業だけを集計したものであるという点です。全社員の平均であり20代の額ではなく、中小企業も含まれていません。「大手のボーナスが100万円を超えた」というニュースを自分の基準にすると、実態から離れた比較になります。
賞与の原資は基本給の上昇と業績で決まります。賃上げが続く局面では若手にも波及しますが、反映されるのは在籍する企業が賃上げを実施した場合に限られます。前年の自分の支給額と比べて増えていないなら、業界動向ではなく自社の状況を確認するほうが実態に近づけます。
20代がボーナスを増やすためにできること
就業規則で算定方法を確認する
最初にやるべきは、自社の就業規則または賃金規程を読むことです。確認するのは次の3点です。
- 算定の基準になるのは基本給か、諸手当を含めた月給か
- 支給月数は固定か、業績や個人評価で変動するか
- 査定の対象期間はいつからいつまでか
基本給連動型なら、賞与を上げる手段は基本給を上げること以外にありません。評価連動型なら、査定期間中の成果が直接効きます。この違いを知らないまま「頑張れば増えるはず」と考えている人は少なくありません。
手当の比重が大きい会社では賞与が伸びにくい
月給の内訳で基本給が低く、住宅手当や職務手当の比重が大きい会社では、賞与が基本給連動である限り支給額は伸びません。月収が同じでも、内訳によって年間のボーナス総額は数十万円変わります。
転職の際に見るべきは提示年収だけでなく、その内訳です。求人票に「年収400万円(賞与2回)」とあっても、基本給がいくらに設定されているかで実際の賞与額は大きく違ってきます。
業種・企業規模を変える
ここまで見てきたとおり、賞与額を最も大きく動かすのは個人の努力ではなく、業種と企業規模です。企業規模だけで2.6倍、業種でも50万円以上の差が生まれます。
とくに人材確保に苦戦している業界では、若手の待遇改善が先行しています。需給が逼迫している職種では、経験が浅い段階でも条件交渉の余地が生まれやすくなります。逆に、応募が集まりやすい業種では賞与を引き上げる動機が働きにくいという構図です。
ここまで読んで自分の賞与額に引っかかりが残っているなら、確認すべきは同世代の平均ではなく、同じ職種・同じ経験年数の人が他社でいくら受け取っているかです。自社の求人票からは見えない情報のため、転職を決めていない段階でも、市場の相場を把握しておくと次の判断材料になります。
まとめ
20代のボーナス平均のまとめ
- 20代の年間ボーナス平均は20〜24歳で41.2万円、25〜29歳で72.7万円
- 20代の中央値は年間72万円。平均値は高額層に引っ張られるため、中央値と併せて見る
- 手取りは額面の約8割。住民税は賞与から引かれず、翌年の給与に反映される
- 夏季賞与を支給した事業所は73.4%で、約4社に1社は支給していない
- 金額を最も大きく左右するのは企業規模と業種。規模だけで2.6倍の差がつく
平均と比べて一喜一憂するより、自社の賞与がどう決まっているかを把握することが先です。そのうえで納得できないなら、動く価値があります。
20代のボーナスに関するよくある質問
20代のボーナスは基本給の何ヶ月分が平均ですか?
新卒1年目の夏のボーナスはいくらもらえますか?
ボーナスが出ないのは違法ですか?
転職するとボーナスはどうなりますか?
20代女性のボーナス平均はいくらですか?
参考:一級土木施工管理技士の年収|596万円の実態と1000万円を狙う条件
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