この記事では、ボーナスの手取りが額面のどれくらいになるかを、金額別の早見表と2026年度の最新料率で確認します。同じ額面でも手取り率が8割になる人と7割を切る人がいる理由、そして引かれすぎた分が戻ってくる条件まで解説します。
ボーナスの手取りは額面の約8割|金額別の早見表
ボーナスの手取りは、額面から社会保険料と所得税を引いた金額です。一般的な会社員であれば額面の約80%が振り込まれると考えて大きく外れません。
まず目安を確認してください。以下は40歳未満・扶養親族なし・協会けんぽ東京支部(2026年度)を前提にした早見表です。
| 額面 | 社会保険料 | 所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 29,380円 | 10,452円 | 約16.0万円 |
| 30万円 | 44,070円 | 15,678円 | 約24.0万円 |
| 40万円 | 58,760円 | 20,904円 | 約32.0万円 |
| 50万円 | 73,450円 | 26,130円 | 約40.0万円 |
| 60万円 | 88,140円 | 31,356円 | 約48.0万円 |
| 80万円 | 117,520円 | 41,808円 | 約64.0万円 |
| 100万円 | 146,900円 | 52,260円 | 約80.0万円 |
所得税は前月の社会保険料等控除後の給与が26万円以上30.9万円未満(税率6.126%)のケースで算出しています。この前提が変わると税額は大きく動きます。理由は後半で詳しく扱います。
参考までに、2026年夏のボーナスは民間企業(事業所規模5人以上)の平均が436,140円と予測されています。この金額であれば手取りはおよそ34.9万円です。
40歳以上は介護保険料の分だけ手取りが下がる
40歳の誕生日を迎えると介護保険料の負担が始まります。ボーナスも例外ではありません。40歳未満と40歳以上で、同じ額面でも手取りに差が出ます。
| 額面 | 40歳未満の手取り | 40歳以上の手取り | 差額 |
|---|---|---|---|
| 40万円 | 320,336円 | 317,295円 | ▲3,041円 |
| 50万円 | 400,420円 | 396,618円 | ▲3,802円 |
| 60万円 | 480,504円 | 475,942円 | ▲4,562円 |
| 80万円 | 640,672円 | 634,589円 | ▲6,083円 |
40歳になった年のボーナスで「去年より額面は上がったのに手取りがほとんど変わらない」と感じるのは、この介護保険料が加わったことが原因のケースが多いです。
ボーナスから引かれる5つのお金【2026年に1つ増えました】
ボーナスから引かれるのは、社会保険料4種類と所得税です。2026年4月からは新しい負担が1つ加わりました。本人負担分の料率をまとめます。
| 項目 | 料率(全体) | 本人負担 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 9.85% | 4.925% |
| 厚生年金保険料 | 18.3% | 9.15% |
| 介護保険料(40歳以上) | 1.62% | 0.81% |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23% | 0.115% |
| 雇用保険料 | 1.35% | 0.5% |
健康保険料率は協会けんぽ東京支部の値です。40歳未満の合計は14.69%、40歳以上は15.50%。ここに所得税が乗ります。
健康保険料と介護保険料
健康保険料率は都道府県ごとに違います。協会けんぽ東京支部の2026年度は9.85%で、前年度の9.91%から0.06ポイント下がりました。会社と折半なので本人負担は4.925%です。
介護保険料率は全国一律で1.62%。こちらは前年度の1.59%から0.03ポイント上がっています。対象は40歳以上65歳未満の人です。健康保険組合に加入している場合は組合ごとの料率になるため、給与明細か組合のサイトで確認してください。
厚生年金保険料
天引きの中で最も金額が大きいのが厚生年金です。料率は18.3%で固定されており、2017年9月以降変わっていません。本人負担は9.15%で、額面50万円なら45,750円が引かれる計算になります。
ボーナスから引かれた厚生年金は将来の年金額に反映されます。手取りだけを見ると純粋な減少に見えますが、性質としては強制的な積み立てに近いものです。
子ども・子育て支援金(2026年4月新設)
2026年4月から始まった新しい制度です。会社員などの被用者保険加入者を対象に、健康保険料と合わせて徴収されます。2026年度の料率は全国一律0.23%で、労使折半のため本人負担は0.115%です。
額面50万円のボーナスなら575円。金額そのものは小さいものの、2028年度まで段階的に引き上げられる予定のため、今後は少しずつ手取りを押し下げる要素になります。2026年の明細から見慣れない項目が増えたと感じた人は、これが理由です。
雇用保険料
失業給付や育児休業給付の財源になる保険料です。2026年度は引き下げられ、一般の事業では本人負担が0.5%になりました。額面50万円で2,500円です。
雇用保険だけは労使折半ではなく、会社の負担割合のほうが大きく設定されています。
所得税|ボーナスに住民税は引かれない
毎月の給与と違い、ボーナスから住民税は引かれません。住民税は前年の所得をもとに年税額が決まり、それを12分割して毎月の給与から徴収する仕組みだからです。
そのためボーナスにかかる税金は所得税だけです。にもかかわらず「給与より税金が高い気がする」と感じる人が多いのは、次の章で説明する税率の決まり方に理由があります。
同じ額面でも手取りが違う理由|所得税率は「前月の給与」で決まる
ここが多くの人が見落としているポイントです。ボーナスにかかる所得税の税率は、ボーナスの金額では決まりません。前月の給与から社会保険料を引いた金額と、扶養親族の人数で決まります。
隣の席の同僚と同じ額面のボーナスをもらっても手取りが違うのは、そのためです。額面が同じなら社会保険料は同額ですが、所得税だけは前月の給与次第で変わります。
前月給与別・賞与にかかる税率の早見表
国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)」から、扶養親族が0人の場合を抜き出したものが次の表です。
| 前月の社会保険料等控除後の給与 | 税率 | 額面50万円の手取り |
|---|---|---|
| 9.4万円以上26.0万円未満 | 4.084% | 409,130円(81.8%) |
| 26.0万円以上30.9万円未満 | 6.126% | 400,420円(80.1%) |
| 30.9万円以上34.2万円未満 | 8.168% | 391,710円(78.3%) |
| 34.2万円以上37.2万円未満 | 10.210% | 383,000円(76.6%) |
| 37.2万円以上40.2万円未満 | 12.252% | 374,290円(74.9%) |
| 40.2万円以上43.3万円未満 | 14.294% | 365,579円(73.1%) |
| 43.3万円以上52.0万円未満 | 16.336% | 356,869円(71.4%) |
| 52.0万円以上60.5万円未満 | 18.378% | 348,159円(69.6%) |
同じ額面50万円でも、手取りは409,130円から348,159円まで、約6万円の開きがあります。「額面の8割」という目安が当てはまるのは、前月の社会保険料控除後の給与が30万円前後までの人だけです。
年収が高い人ほど手取り率は下がります。2026年夏の経団連1次集計では大手企業の平均が1,008,706円でしたが、この水準の人は前月給与も相応に高いため、手取り率は7割を切ることも珍しくありません。
残業が多かった翌月のボーナスは手取りが減る
税率が前月給与で決まるということは、繁忙期で残業代が膨らんだ月の翌月にボーナスが出ると、税率の区分が上がって手取りが減るということです。
たとえば5月の社会保険料控除後の給与が通常30万円の人が、残業で35万円になったとします。税率は6.126%から10.210%へ2段階上がり、6月のボーナス50万円の手取りは17,420円減る計算です。
- 繁忙期の直後にボーナスが出る職種は税率が上がりやすい
- 逆に前月が休職・欠勤などで給与が少なければ税率は下がる
- この差額は取られっぱなしではなく、年末調整で精算される
「今回のボーナスは引かれすぎでは」という違和感は、気のせいではありません。ただし原因は会社の計算ミスではなく、この仕組みにあります。
ボーナスの手取りを自分で計算する3ステップ
支給前に自分で試算する手順です。額面50万円・40歳未満・扶養なし・前月の社会保険料控除後の給与28万円を例にします。
- 社会保険料を計算する:500,000円 × 14.69% = 73,450円
- 課税対象額を出す:500,000円 − 73,450円 = 426,550円
- 税率を掛けて所得税を出す:426,550円 × 6.126% = 26,130円
手取りは 500,000円 − 73,450円 − 26,130円 = 400,420円。ポイントは、所得税を額面ではなく社会保険料を引いた後の金額に掛けることです。ここを間違えると数千円ずれます。
手取りの考え方は毎月の給与も同じです。年収からの逆算については年収420万円の手取りシミュレーションもあわせて確認すると、年間の可処分所得を把握しやすくなります。
引かれすぎた所得税は年末調整で戻ってくる
ボーナスから引かれる所得税は、あくまで概算の前払いです。1年間の所得が確定した時点で正しい税額を計算し直し、差額を精算する。それが年末調整です。
つまり前月の残業でたまたま高い税率が適用されても、その分は12月の給与で戻ってくる可能性があります。逆に控除が少なければ追加徴収されることもあります。
- 生命保険料控除・地震保険料控除は申告書への記入と証明書の添付が必要
- iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になる
- 医療費控除とふるさと納税のワンストップ以外の分は自分で確定申告する
- 年の途中で転職した場合は前職の源泉徴収票を新しい会社に提出する
年末調整の申告書を空欄のまま出している人は、本来戻るはずの税金を毎年見送っていることになります。ここは手取りを増やせる数少ない自力の余地です。
高額ボーナスは天引きが頭打ちになる|標準賞与額の上限
社会保険料の計算に使う「標準賞与額」には上限があります。上限を超えた部分には保険料がかかりません。
| 保険 | 上限 | 判定単位 |
|---|---|---|
| 健康保険・介護保険 | 573万円 | 年度(4月〜翌年3月)の累計 |
| 厚生年金保険 | 150万円 | 1回の支給ごと |
厚生年金は1回150万円までしか保険料の対象になりません。額面200万円のボーナスでも、厚生年金保険料は150万円分で止まります。一方で健康保険は年度累計での判定なので、夏冬合わせて573万円に達した時点でそれ以降は保険料がかかりません。
所得税にはこうした上限がないため、高額ボーナスほど手取り率の低下は所得税が主因になります。
転職を考えている人がボーナスで損をしないための注意点
ボーナスを受け取ってから退職を考えている人は、退職日の設定が手取りに直結します。ここは知らずに決めてしまう人が多い部分です。
退職日が月末か月途中かで社会保険料が変わる
社会保険の資格喪失日は退職日の翌日で、保険料は資格喪失日が属する月の前月分まで発生します。この決まりが、ボーナスの手取りにも影響します。
| 退職日 | 資格喪失日 | その月の賞与から健保・厚年 |
|---|---|---|
| 6月30日(月末) | 7月1日 | 引かれる |
| 6月29日(月途中) | 6月30日 | 引かれない |
1日違うだけで、額面50万円なら約7万円の社会保険料が引かれるか引かれないかが変わります。ただし手取りが増えるからといって月途中の退職が常に有利とは限りません。
- その月は国民健康保険と国民年金に自分で加入し、全額を自己負担する
- 厚生年金の加入月数が1か月減り、将来の年金額にわずかに響く
- 翌月1日入社が決まっているなら、空白期間が生じない月末退職のほうが手続きは簡単
次の会社への入社日が決まっているかどうかで、有利な退職日は変わります。転職先が決まってから退職日を逆算するのが安全です。
支給日在籍要件と賞与の返還規定
多くの会社の就業規則には「支給日に在籍している者に支給する」という支給日在籍要件があります。査定期間をすべて勤務していても、支給日の前日に退職すればボーナスは出ません。
まれに「支給後◯か月以内に退職した場合は返還する」という規定を置く会社もあります。退職を切り出す前に、就業規則の賞与の条項を確認してください。手取りの計算より先に、そもそも受け取れるかどうかの確認が必要です。
建設業界で転職を検討している場合は、業界に強い転職エージェントに退職時期の相談まで含めて依頼すると、支給日をまたぐスケジュール調整がしやすくなります。
手取りを増やしたいなら「率」ではなく「額面」を動かす
ここまで見てきたとおり、天引きされる率は自分では選べません。健康保険料率も厚生年金の18.3%も、個人の努力で下げられるものではないからです。
控除の申告漏れをなくせば年に数万円は戻りますが、それ以上を望むなら額面そのものを上げるしかありません。手取り率が同じ8割でも、額面が40万円と60万円では手取りに16万円の差が出ます。
ボーナスの支給月数は会社の制度で決まっている部分が大きく、同じ職種・同じ経験年数でも会社が変われば年間支給額が数十万円変わることがあります。明細を見て落胆したなら、次に確認すべきは計算式ではなく、いま自分がいる会社の支給水準が業界の中でどのあたりかという点です。
施工管理をはじめとする建設系の職種は、資格と経験が待遇に反映されやすい分野です。現在の水準に納得できない場合は施工管理向けの転職エージェントで求人の賞与実績を比較してみてください。
目標の手取り額から必要な年収を逆算したい場合は、手取り30万円に必要な総支給額の記事が参考になります。
まとめ
ボーナスの手取りのまとめ
- ボーナスの手取りは額面の約8割が目安だが、前月給与が高いと7割を切る
- 社会保険料の本人負担は40歳未満で14.69%、40歳以上で15.50%
- 2026年4月から子ども・子育て支援金(本人0.115%)が加わった
- ボーナスに住民税はかからず、税金は所得税のみ
- 所得税率は前月の社会保険料控除後の給与と扶養人数で決まる
- 引かれすぎた所得税は年末調整で精算される
- 退職日が月末か月途中かで、賞与から社会保険料が引かれるかが変わる
天引きの率は変えられません。手取りを本気で増やすなら、動かせるのは額面のほうです。
ボーナスの手取りに関するよくある質問
ボーナス50万円の手取りはいくらですか?
ボーナスから住民税は引かれますか?
去年より額面が上がったのに手取りが増えないのはなぜですか?
ボーナスから引かれすぎた所得税は戻ってきますか?
退職する月のボーナスは社会保険料が引かれますか?
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