「施工管理の仕事って、毎日どんなことをしているんだろう…」
「現場の仕事は体力勝負って聞くけど、私にもできるのかな…」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、施工管理の1日の流れを具体的に解説します。
この記事を読むことで、施工管理の仕事に対する不安が解消され、より効率的に業務を進めるためのヒントが得られるでしょう。
現場監督として施工管理の仕事を7年経験した著者が、施工管理の1日の流れを解説します。
施工管理士の1日の流れ

施工管理のスケジュールを大まかに分けると、以下の通りです。
作業開前 (~8:30) | 一日のスケジュールの確認、 朝礼 |
午前中(8:30~12:00) | 現場巡回、 施工管理 |
午後 ( 13:00~17:00) | 現場巡回、 施工管理 |
作業終了後(17:00~) | 事務作業 |
それぞれ詳しく解説します。
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作業開前 (~8:30) 一日のスケジュールの確認、 朝礼
施工管理の朝は早く、一般的には現場事務所に7時から8時ごろに到着します。朝が早いのは、現場を運営する立場として、現場の作業に不足がないように確認を行う必要があるためです。実際に、筆者は朝礼が始まる45分前には遅くとも自席についていました。
出勤したら、まず1日の作業内容を再度確認し、自身のスケジュールを見直します。頭の中を整理することで、円滑な現場運営に寄与する非常に重要な時間です。検査や注文した材料の搬入時間を確認し、作業にあたり、準備に不足がないか確認する貴重な時間です。
8:30には朝礼を行います。朝礼では、ラジオ体操から始まり、作業内容の確認、保護具の点検、KY(危険予知)活動を行います。安全な現場を運営するために、非常に重要な時間です。
午前中(8:30~12:00) 現場巡回、施工管理
朝礼が終わると、現場全体で作業が開始されます。施工管理者は、現場を巡回し、現場の管理を行います。具体的には、協力業者への指示出し、進捗の確認、工事写真の撮影、検査の準備などを行います。
そして、最も重要な管理業務は、安全管理です。作業の進捗が良好でも、不安全な行動を行っていては、事故につながる可能性が高まります。作業手順書で決められた手順に従い、作業を行っているかどうかも併せて確認しましょう。作業内容が安全に行われているかどうかや、工事現場に危険な箇所がないかどうかを確認することも重要な仕事です。
午後(13:00~17:00) 現場巡回、 施工管理
現場全体で明日の作業内容を確認する全体打合せを行い、引き続き現場の巡回を行います。
検査の対応やトラブルが生じた際の対応も重要な仕事です。安全かつ円滑な現場運営のために、 作業を行っている限りは、絶えず気を配る必要があります。
夜間 (17:00~) 事務作業
残業や夜間の工事がない場合、現場の作業が一通り終われば事務作業を行います。主な事務作業は、撮影した写真の整理や報告書の作成、メールの返信などです。明日の作業を円滑に進めるための準備など、日によっては遅い時間まで残業することもあります。
大規模な現場では、作業がないこの時間に夕礼として職員が集まり、工事についての進捗確認と調整を行う現場もあります。
退勤
夜間の業務が終われば、ようやく退勤です。明日の作業内容の準備に不足がないことを確認して、退勤します。私の経験上、21時ごろには退勤していましたが、遅い時には日付が変わることも多々ありました。
しかしながら、長時間働いているとの実感はなく、「えっ、もうこんな時間なの?」と、あっという間に時間がたってしまったと思いながら、働いていました。
【立場・時期・仕事別】の施工管理士のスケジュール
施工管理の仕事は、現場の状況や担当する業務によって、1日のスケジュールが大きく変わります。そのため、状況に応じた柔軟な対応が求められると言えるでしょう。
特に、経験の浅い方や、異なる立場で働く方は「どのようなスケジュールで業務を進めるべきか?」と悩むかもしれません。ここでは、様々な立場や状況における施工管理のスケジュール例を紹介します。
新人施工管理の一日の流れ
新人施工管理は、まず現場の雰囲気に慣れることから始まります。先輩社員の指導を受けながら、基本的な業務を一つずつ丁寧に覚えることが重要です。
「自分は本当にこの仕事が向いているんだろうか?」と不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、焦らず着実にステップアップしていくことが大切です。
具体的には、以下のようなスケジュールで1日を過ごすことが多いでしょう。
- 午前:朝礼に参加し、その日の作業内容や安全に関する注意事項を確認します。
その後、先輩社員と一緒に現場を巡回し、作業の進捗状況や安全面をチェックします。 - 午後:午後は昼休み明けに打ち合わせから、仕事がスタートします。その後は、午前中の作業内容を踏まえて、時間があれば、書類作成やデータ入力などの事務作業を行います。
また、先輩社員から施工管理に関する知識や技術を学ぶこともあるでしょう。時には、先輩社員に同行して、関係各所との打ち合わせに参加することもあります。
午前中と午後も現場が稼働している時には、現場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が中心となるでしょう。 - 夕方:夕方には、その日の業務内容を日報にまとめ、上司や先輩社員に報告します。
日報を通じて、その日の業務で学んだことや課題点を整理することが大切です。また、翌日の業務スケジュールを確認し、準備を整えて業務を終えます。
新人施工管理のうちは、現場での作業や事務作業だけでなく、研修や勉強会に参加する機会も多いでしょう。研修や勉強会を通じて、施工管理に関する専門知識やスキルを習得していきます。
新人時代は、毎日が学びの連続です。積極的に知識を吸収し、一日でも早く一人前の施工管理者になれるように努力しましょう。新人施工管理は、現場での経験と知識をバランスよく身につけることが重要です。
デスクワーク中心の一日の流れ
デスクワーク中心の施工管理は、現場での作業よりも、書類作成やデータ分析、関係各所との調整業務が中心となります。このような働き方も、施工管理の重要な役割を担っています。
具体的には、以下のようなスケジュールで1日を過ごすことが多いでしょう。
- 午前:午前中は、メールチェックや書類整理から始まります。その後、現場から送られてくる進捗報告や写真データを確認し、必要に応じて指示やアドバイスを行います。また、予算管理や工程管理に関する資料を作成することもあります。
例えば、設計事務所や協力会社との打ち合わせ、社内の関係部署との進捗会議などがあります。打ち合わせでは、各関係者の意見を聞き、情報を共有し、問題を解決することが求められます。 - 午後:デスクワークを中心とした施工管理の方は、午後は、関係各所との打ち合わせや会議に参加することが多くなります。
また、午後は、現場の状況を把握するために、現場に足を運ぶこともあるでしょう。 - 夕方:夕方には、その日の業務内容をまとめ、翌日の業務スケジュールを確認します。
また、進捗報告書や会議議事録などの書類を作成します。場合によっては、現場を中心とした施工管理の方の手伝いをすることもあるでしょう。
デスクワーク中心の施工管理は、現場の状況を把握しながら、関係各所との連携を円滑に行うことが求められます。そのため、コミュニケーション能力や交渉力も重要になります。
デスクワーク中心の施工管理は、現場をサポートする重要な役割を担っていると言えるでしょう。
繁忙期の一日の流れ
繁忙期の施工管理は、通常時よりも業務量が増え、スケジュールもタイトになります。そのため、効率的な時間管理と臨機応変な対応が求められます。
「この忙しさがずっと続くのか…」と不安になる人もいるかもしれません。
しかし、繁忙期を乗り越えることで、成長できるチャンスと捉えるようにしましょう。特に、若手は繁忙期の現場に割り当てられることが多いです。
具体的には、以下のようなスケジュールで1日を過ごすことが多いでしょう。
- 早朝:繁忙期には、通常よりも早く出勤し、その日の作業内容や進捗状況を確認します。また、現場の安全確認や職人さんたちへの指示出しも行います。早朝から、現場がスムーズに動き出すように準備することが大切です。
- 午前:午前中は、現場を巡回し、作業の進捗状況や安全面をチェックします。 また、職人さんたちからの相談や質問に対応します。繁忙期は、現場でのトラブルや問題が発生する頻度も増えるため、迅速な対応が求められます。トラブルが生じた際にも落ち着いて対処するようにしましょう。
- 午後:午後は、午前中の作業内容を踏まえて、作業計画の見直しや調整を行います。
また、関係各所との打ち合わせや進捗会議に参加することもあります。繁忙期は、スケジュールがタイトになるため、会議や打ち合わせも効率的に進める必要があります。 - 夕方以降:夕方以降は、その日の作業内容を記録し、報告書を作成します。
また、翌日の業務スケジュールを確認し、資材の発注や職人さんの手配など、必要な準備を行います。
繁忙期は、残業時間も長くなる傾向があるため、体調管理にも気を配るようにしましょう。繁忙期の施工管理は、体力勝負になる場面も多くなります。
日頃から体力をつけておくことや、休息をきちんと取ることが大切です
また、チームで協力して業務を進めることで、負担を軽減するように心がけましょう。
雨天時の仕事の流れ
雨天時の施工管理は、天候の影響で現場での作業が制限されるため、通常時とは異なる業務内容になります。
「雨の日は仕事がないから楽だ」と思っている人もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
雨天時も、安全に配慮しながら、できる範囲で業務を進める必要があります。
具体的には、以下のようなスケジュールで1日を過ごすことが多いでしょう。
- 午前:午前中は、まず現場の状況を確認し、雨による影響を把握します。雨天時でも作業可能な範囲を判断し、職人さんたちに指示を出しを行いましょう。
また、雨天時の安全対策を確認し、現場で事故が起こらないように注意します。 - 午後:午後は、午前中の作業内容を踏まえて、作業計画の見直しや調整を行います。
また、関係各所との打ち合わせや進捗会議に参加することもあります。繁忙期は、スケジュールがタイトになるため、会議や打ち合わせも効率的に進める必要があります。 - 夕方以降:雨で作業ができない場合は、事務作業や書類作成に時間を充てます。また、工程の遅れを取り戻すために、作業計画を見直したり、関係各所と調整を行ったりといった作業が必要になる場合があるでしょう。
雨天時は、現場の状況を的確に把握し、柔軟に対応することが求められます。
雨天時は、現場での作業が制限されるため、事務所で事務作業を行うことが多いです。例えば、過去の工事記録を整理したり、次の検査の準備をしたり、次回の打ち合わせ資料を作成したりします。雨天時は、「全体の工程が遅れるし、嫌だな」と感じるかもしれませんが、事務作業を進める良い機会と捉えましょう。
また、雨天時に作業を行う場合は、職人さんたちの安全にも配慮し、無理な作業をしないように注意することも大切です。雨天時でも、施工管理の仕事は、安全と効率を両立させながら進める必要があります。
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施工管理の仕事が「きつい」と言われる原因

施工管理の仕事は、建設プロジェクトを円滑に進めるために不可欠な役割を担っています。しかし、その一方で「きつい」というイメージを持たれているのも事実です。
「なぜ、施工管理の仕事はきついと言われるのだろうか?」と疑問に思う人もいるでしょう。この章では、施工管理の仕事が「きつい」と言われる原因を具体的に解説していきます。
以下で詳しく解説していきます。
業務量が多い? 施工管理の仕事でよくある課題
施工管理の仕事が「きつい」と言われる理由の一つに、業務量の多さが挙げられます。
施工管理は、現場の安全管理から品質管理、工程管理、予算管理、書類作成など、多岐にわたる業務を同時並行でこなさなければなりません。「いつも時間に追われている気がする…」と感じる人もいるのではないでしょうか。
具体的な業務内容について、解説します。
- 現場の安全管理
毎日、現場の安全を確認し、危険な箇所がないかチェックします。
また、職人さんたちが安全に作業できるよう、安全指導を行う必要があります。
安全管理は、施工管理の最も重要な業務の一つであり、常に注意を払わなければなりません。万が一、現場で事故が起きてしまうと、その責任を問われることになります。
実際に、厚生労働省「労働災害発生状況」によると、建設業における労働災害は、年間約12,000件発生しており、そのうち約3割が墜落・転落災害です。これらの災害を防ぐために、施工管理者は、現場の安全管理に多大な時間を費やしています。 - 工事の品質管理
設計図に基づいて、工事が正しく行われているかを確認します。
材料の品質や、作業の精度をチェックし、品質の高い建物を作る必要があります。品質管理を怠ると、建物の安全性や耐久性に問題が生じるため、非常に重要な業務です。
実際に、私も若手の頃は、現場で写真撮影や品質管理記録など、品質管理の仕事が中心でした。 - 工事の工程管理
工事が予定通りに進んでいるかを確認し、遅れている場合は、その原因を究明し、対策を講じる必要があります。
工程管理は、工事全体のスケジュールを管理する上で、非常に重要な業務です。遅延が発生すると、工期全体に影響が出てしまうため、常に進捗状況を把握しておく必要があります。
実際に、私も施工管理として働いていた時には、担当する工種の週間工程表を作成し、進捗管理を行っていました。 - 書類作成
工事に関する様々な書類を作成する必要があります。
例えば、工事日報、安全書類、品質管理書類、請求書などです。これらの書類は、工事の記録としてだけでなく、関係各所への報告にも使用されます。
書類作成は、正確さとスピードが求められるため、施工管理の負担になっていると言えるでしょう。
実際に、私の経験だと、1日の内40%程度は事務作業に費されていました。
これらの業務を全て一人でこなすのは、非常に大変な作業です。業務量の多さが、施工管理の仕事がきついと言われる大きな原因と言えるでしょう。
プレッシャーが大きい? 現場をまとめる責任
施工管理の仕事が「きつい」と言われるもう一つの原因は、プレッシャーの大きさです。施工管理は、現場の責任者として、工事の安全、品質、工程、予算などを全て管理する役割を担っています。
具体的に、施工管理がどのようなプレッシャーを感じているのか見ていきましょう。
・安全に関する責任
施工管理は、現場で働く職人さんたちの安全を守る責任を負っています。万が一、現場で事故が発生した場合、その責任は施工管理に問われることになります。
「もしかしたら、自分が見落としていたせいで事故が起きてしまったかもしれない」と、常にプレッシャーを感じながら仕事をしている人もいるでしょう。
実際に、建設業労働災害防止協会「建設業における労働災害発生状況」によると、建設業における死亡災害は、令和4年で年間281件発生しており、これらの災害を防ぐために、施工管理者は、常に高い緊張感を持って業務に当たらなければなりません。
私も現場で事故を目の当たりにしたことがあります。事故が発生すると、原因を徹底的に調査し、再発防止策を講じるなど、様々な対応に追われることになります。何より、事故に遭われた方が身体的にも精神的にも苦痛を味わうことになってしまいます。
事故は誰にとってもプラスになることは何一つありません。そのため、私は常に緊張感を持って日々の業務に当たっていました。
・品質に関する責任
施工管理は、設計図通りに工事が進んでいるか、常に品質をチェックする必要があります。もし、品質に問題があった場合、建物の安全性や耐久性に影響が出てしまう可能性があります。
そのため、「絶対にミスは許されない」というプレッシャーを感じながら仕事をしている人もいるでしょう。実際に、私も施工管理として働き始めた1年目から、日々、品質管理業務を行ってきました。不具合を起こしたら「クビになる」くらいの覚悟で仕事をしていました。
・工程に関する責任
施工管理では、工事の進捗状況を常に把握し、予定通りに進んでいるかを確認する必要があります。工事が遅れている場合は、その原因を徹底的に分析し、適切な対策を講じなければなりません。
工期に間に合わない場合は、突貫工事となります。実際、私が施工管理で働いていた時に、半年間の突貫工事の経験談は衝撃的でした。「親が亡くなった以外、これから半年休みはないと思ってください」と言われたそうです。
ほぼ毎日、昼夜を問わず勤務し、疲労困憊の末、部屋に辿り着くと、靴を履いたまま倒れ込んで寝てしまうような日々でした。他のことをする余裕すら感じられないほど、仕事漬けだったそうです。工期に間に合わせるためには、このような徹底的な姿勢が求められるのです。
・原価管理に関する責任
施工管理では、工事にかかる費用を予算内で適切に管理することも重要な役割となります。予算を超過した場合、会社の経営に深刻な影響を与える可能性があり、大手建設会社では、さらには個人の出世にも大きく影響することがあります。
そのため、「絶対に予算を守らなければならない」という重圧に常に苦しめられている人も少なくありません。
私が経験した予算が厳しい現場では、資機を発注する際には、承認を得ないと、発注できないなど、徹底した原価管理が行われていました。
これらの重圧は、施工管理の仕事に常に付きまとう宿命とも言えるでしょう。プレッシャーに押しつぶされないよう、効果的なストレス解消法を見つけることが、長期的に仕事を継続するための鍵となります。
労働時間が長い? 施工管理の残業の実態
施工管理の仕事が「きつい」と言われる最後の原因は、労働時間の長さです。建設業界は、長時間労働が常態化している傾向があり、施工管理も例外ではありません。
「毎日残業で、自分の時間がない…」と感じている人もいるのではないでしょうか。
施工管理の労働時間が長くなる理由を具体的に見ていきましょう。
- 突発的なトラブルへの対応
現場では、予期せぬトラブルが起こることがあります。例えば、資材の不足、機械の故障、天候の悪化などです。これらのトラブルが発生した場合、施工管理は、すぐに対応する必要があります。
そのため、残業や休日出勤を余儀なくされることもあるでしょう。
実際に、厚生労働省「労働時間に関する実態調査」によると、建設業における時間外労働(残業)時間は、月平均36時間と、特にトラブル発生時には、残業時間が大幅に増加する傾向があります。 - 書類作成や事務作業
施工管理は、現場での作業だけでなく、書類作成や事務作業も行う必要があります。
これらの作業は、基本的に現場での作業が終わった後に行うため、どうしても残業になりがちです。
「書類作成が終わらず、毎日遅くまで残業している…」と感じている人もいるでしょう。実際に、私も施工管理として働いている時は、平日は帰宅時間が21時前後でした。 - 人員不足
建設業界は、慢性的な人手不足の状態です。そのため、一人当たりの業務量が多くなり、残業時間も増えます。
建設業界の人手不足が指摘されています。実際に、帝国データバンクの調査では、人手不足感を抱える建設業の割合は2024年9月時点で69.8%との結果が出ています。
これらの理由により、施工管理の仕事は、長時間労働になりやすいと言えるでしょう。長時間労働は、体力的にも精神的にも負担が大きいため、働き方を見直す必要があるかもしれません。
施工管理の労働時間が長いという現状は、改善していくべき課題と言えるでしょう。
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施工管理として働く時のポイント

施工管理の仕事は、建設プロジェクトを成功に導くために、様々な知識やスキルが求められます。安全管理、工程管理、品質管理など、多岐にわたる業務を遂行する必要があるため、常に高い意識を持って仕事に取り組むことが重要です。
しかし、これらの業務をただこなすだけでは、良い施工管理とは言えません。現場で働く人たちとの信頼関係を築き、チームとして目標を達成していくことが大切です。
以下では、施工管理として働く上で、特に重要なポイントについて詳しく解説していきます。
安全が第一
施工管理の仕事において、最も重要なポイントは、何よりも「安全」を確保することです。建設現場では、常に危険が伴うため、作業員の安全を最優先に考え、事故や災害を未然に防ぐための対策を徹底する必要があります。安全管理を怠ると、重大な事故につながる可能性があり、作業員の命を危険にさらすだけでなく、プロジェクト全体の遅延や損害にもつながるでしょう。
具体的には、作業前の安全ミーティングの実施、作業手順の確認、保護具の適切な着用、危険箇所の点検などが挙げられます。また、作業員に対して、安全に関する教育や指導を継続的に行うことも重要です。「もしかしたら、この作業は危険かもしれない…」と感じたら、すぐに作業を中断し、安全な方法を検討する必要があります。
実際に、令和4年の建設業における死亡者数約180人のうち、墜落・転落によるものが約70人(約39%)を占めています。そして、労働災害事例集によると、墜落・転落事故の事例が多数掲載されており、その多くが安全帯の不使用や不適切な使用が原因です。
実際に、安全帯の適切な使用は、現場巡視の際の声かけで、防ぐことができます。
しかし、安全を重視すると、時には作業の効率が悪くなり、嫌な顔をされることがあるかもしれません。実際に、私も作業員に安全に関して注意をして、逆に怒鳴られたこともあります。
ですが、事故が起きてからでは、遅いのです。安全管理は、施工管理者の責任であり、常に高い意識を持って取り組む必要がある重要な仕事と言えます。
作業の進捗を管理する
施工管理の仕事において、作業の進捗を管理することは、非常に重要なポイントです。建設プロジェクトは、多くの工程が複雑に絡み合っており、一つの工程が遅れると、全体のスケジュールに大きな影響を与えます。そのため、施工管理者は、常に現場の進捗状況を把握し、計画通りに作業が進んでいるかを確認する必要があります。
具体的には、日々の作業計画の作成、進捗状況の記録、遅延が発生した場合の原因分析と対策の実施などが挙げられます。また、進捗状況を関係者と共有し、情報共有を密に行うことも重要です。「このままでは、工期に間に合わないかもしれない…」と感じたら、早めに手を打ち、遅延を最小限に抑える必要があります。
作業の進捗を適切に管理することで、プロジェクトを円滑に進め、工期内に完成させることが可能になります。進捗管理は、施工管理者の腕の見せ所であり、計画性と実行力が求められるでしょう。
工事目的物の品質を確保する
施工管理の仕事において、工事目的物の品質を確保することは、非常に重要なポイントです。建設プロジェクトは、顧客の要望に応じた高品質な構造物を建設することが目的であり、品質管理を怠ると、顧客の信頼を失うだけでなく、重大な欠陥や事故につながる可能性もあります。
そのため、施工管理者は、常に品質基準を遵守し、高品質な構造物を建設するための管理を徹底する必要があります。具体的には、使用する資材の品質確認、作業手順の遵守、適切な写真撮影、検査の実施などが挙げられます。
品質に関する記録を適切に残し、問題が発生した場合には、原因を究明し、再発防止策を講じることも重要
工事目的物の品質を確保することで、顧客の満足度を高め、企業の信頼性を向上させることができます。品質管理は、施工管理の責任であり、常に高い意識を持って取り組む必要がある重要な仕事です。
一緒に働く人とコミュニケーションをとる
施工管理の仕事において、一緒に働く人たちと良好なコミュニケーションをとることは、非常に重要なポイントです。建設現場では、様々な職種の人が一緒に働くため、円滑なコミュニケーションがなければ、作業効率が低下したり、トラブルが発生したりする可能性があります。
そのため、施工管理者は、常に現場の状況を把握し、作業員とのコミュニケーションを密に行う必要があります。具体的には、作業指示を明確に伝える、作業員の意見や要望を聞く、感謝の気持ちを伝えるなどが挙げられます。
また、現場の雰囲気を良くするために、積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことも重要です。挨拶は自分から率先して行い、積極的に声をかけ、一体感のある現場を作りましょう。
私が工事現場でも働いた時には、積極的に声をかけるようにしてから、現場での人間関係も良好になりました。良好なコミュニケーションは、現場の雰囲気を良くし、作業効率を向上させるだけでなく、作業員のモチベーション向上にもつながります。コミュニケーションは、施工管理者の重要なスキルであり、常に意識して取り組む必要があります。
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まとめ:施工管理の1日の流れを把握して業務効率化
施工管理の1日の流れを把握することで、業務効率を改善できます。
この記事を参考に、あなた自身の働き方を見直し、より効率的な施工管理を目指しましょう。
まずは、記事で紹介したポイントを参考に、明日からの業務で実践してみてください。
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