九電工は地域社会を支える電気工事のエキスパート
九電工は、1944年創業の九州電力グループ中核企業として、電力設備工事や空調・給排水衛生工事などを担う総合エンジニアリング企業です。戦後復興から高度経済成長期にかけて、九州各地の発電所や送電線の建設に貢献し、国内外で幅広い事業を展開してきました。しかし、近年は「九電工 やばい」「九電工 ブラック」といった声も聞かれ、離職率や労働環境に関する懸念も存在します。
本記事では、九電工の現状を多角的に分析し、その実態を探ります。
株式会社九電工

平均年収
700万円
2024年度
平均年齢
38.2歳
2024年3月期
平均残業時間
29.9時間
2023年度
離職率
16.7%
2023年度
有給休暇取得率
73.1%
2023年度
中途採用比率
21.7%
2023年度
九電工とはどんな会社?
株式会社九電工の概要は以下のとおりです。
会社名 | 株式会社九電工 |
英語名 | KYUDENKO CORPORATION |
資本金 | 125億円 |
所在地 | 福岡県福岡市南区那の川一丁目23番35号 |
設立年 | 1944年 |
また、九州各地のインフラ設備の建設に貢献するだけでなく、国内外で幅広く事業を展開しており、まさに九州と日本を代表するサブコントラクター(サブコン)と言えるでしょう。
事業 | 事業内容 |
---|---|
配電事業 | 配電委託工事、電力インフラ工事、電気工事、空調管工事、環境資源設備工事など |
情報通信事業 | 自治体、事業者、公共機関、病院、工場、大型建築物など |
エコ事業 | 建築・設備改築、省エネルギー関連施設、調査・研究、エコ住宅工事など |
海外事業 | 東南アジアを中心にエネルギー関連事業、新設、リニューアルや省エネルギー工事など |
新規事業 | 新エネルギー事業、PFI事業、医療支援事業など |
九電工がやばい・きつい・やめとけと言われる5つの理由
九電工は日本を代表するサブコンの一つですが、輝かしい実績の反面、様々な課題を抱えています。
九電工が「やばい」と言われる理由 |
---|
①長時間労働と働き方改革の課題 |
②離職率が高いという噂 |
③企業倫理と企業文化の影響 |
④転職難易度・中途採用倍率の高さ |
⑤人材不足と若手離職の問題 |
長時間労働と働き方改革の課題
建設業界全体として、長時間労働が深刻な課題となっています。九電工も例外ではなく、高圧電気工事から通信設備の敷設まで多岐にわたる事業を抱えており、その分、工期厳守やトラブル対応の負担が大きくのしかかります。2023年度の月間平均残業時間は29.9時間となっており、年収水準を踏まえると妥当ではあるものの、高めではあります。
これに対し、九電工では働き方改革関連法に基づき、時間外労働の上限規制(月45時間以内、年360時間以内)の遵守を目指しています。完璧な解決には至っていないものの、今後の是正が期待されています。具体的には、労働時間の適正化、適正な工期の確保、設計・仕様の早期決定、定時時間内での打合せ実施などを推進すると表明しているようです。また、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みも発表されています。
離職率が高いという噂
九電工の離職率は2022年度で16.7%、直近3年で20%となっています。これは厚生労働省の発表している平均離職率の約15%と比較するとやや高い水準にあることがわかります。一方ここ数年で離職率が2/3までに低下するなど、離職率低下への取り組みが顕著に表れており、今後も低下の見込みが高いと言えます。
九電工の離職率の推移は下記のとおりです。
年度 | 離職率 |
---|---|
2020 | 26.3% |
2021 | 17.3% |
2022 | 16.7% |
九電工の離職率(出所:リクナビ)
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企業倫理と企業文化の影響
大手ゼネコン各社は過酷な労働環境やパワハラなどのトラブルが噂されるケースが多くあります。
九電工も例外ではなく、体育会系を思わせる厳格な上下関係や昭和気質な風土などの指摘や、利益重視による従業員の疲弊が噂されています。
そうした動きを受け、九電工も働き方の改革を推進しています。 具体的には、労働時間の適正化、適正な工期の確保、設計・仕様の早期決定、定時時間内での打合せ実施などを推進すると表明しているようです。離職率や残業時間の低下を見るとこれが反映されいてることが見て取れますね。
転職難易度・中途採用倍率の高さ
やばいと言われている理由の1つに、転職難易度・中途採用倍率の高さも挙げられています。
九電工は転職市場における人気は非常に高いと言えます。実際に「転職人気企業ランキング2024」では、トップ300にランクインしており、転職難易度も高いです。
一方で中途採用にも積極的であるため、転職のチャンスは十分にあるのも事実です。実際に鹿島建設が公開しているデータによると、2024年度のキャリア採用比率は約21.7%であり、積極的に中途採用を行っています。
年度 | 中途採用比率 |
---|---|
2021年度 | 9.1% |
2022年度 | 8.2% |
2023年度 | 8.7% |
2024年度 | 21.7% |
九電工の中途採用比率(出所:九電工統合報告書)
上記表の通り、九電工は転職市場における人気・難易度は高いものの中途採用も積極的に行なっています。
そんな転職難易度の高い九電工に転職するためには、入念な準備が必要となります。そのためにはぜひ積極的に転職エージェントを活用しましよう。九電工に転職したい方は、建設業界の転職に強い『ジョブリー建設』をチェックしてみてください。
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人材不足と若手離職の課題
建設業界全体での人材不足や高齢化が進み、九電工でも同様の課題を抱えています。特に、九電工は電気・通信といった幅広いインフラ領域をカバーし、プロジェクトも大規模から小規模まで多岐にわたるため、人員育成・確保が難しいと言った指摘があります。
- 現場の労働環境が厳しく、若手社員が定着しにくい
- ベテラン社員の技術伝承が進まないまま離職するケースも
- 技能労働者の数が不足し、1人あたりの負担が増大
このように人材が十分に確保できないと、結果的に長時間労働の助長や安全管理の疎漏につながりやすく、さらなる悪循環を生み出してしまいます。
九電工を含む大手ゼネコンは、これまでに培ってきた技術力や大規模プロジェクトの実績が評価される一方で、長時間労働や安全衛生管理の不十分さ、企業倫理の問題など多くの課題が指摘されています。特に現場の声を踏まえた働き方改革や女性活躍推進などの取り組みは、まだまだ道半ばと言えるでしょう
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九電工の良い評判・口コミを解説
多くの企業が人材確保に苦戦する中、九州電力グループの技術力を誇る九電工は、高い評価と多くの良い口コミを集めています。その魅力は、ズバリ「高年収」「充実の福利厚生」「抜群の安定性」の3点に集約されます。
九電工の良い評判 |
---|
①年収が高く将来設計も安心 |
②充実した待遇と福利厚生 |
③公共事業を支える安定した基盤 |
年収が高く将来設計も安心
九電工の大きな魅力の一つは、なんと言っても高い年収です。2024年度における九電工の平均年収は700万円となっており、業界平均を上回る水準にあると評判です。
平均年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
2020 | 684万円 | 38.7歳 |
2021 | 682万円 | 38.7歳 |
2022 | 685万円 | 38.6歳 |
2023 | 685万円 | 38.7歳 |
2024 | 700万円 | 39.0歳 |
九電工の平均年収・平均年齢推移(参照: 同社IR)
年代別年収
年齢層 | 平均年収 (万円) |
---|---|
20~24歳 | 400〜500万円 |
25~29歳 | 550〜650万円 |
30~39歳 | 700〜850万円 |
40~49歳 | 850〜1200万円 |
50~59歳 | 1200万円以上(評価次第) |
九電工における年齢別年収のイメージ
職種別平均年収
職種 | 平均年収 |
---|---|
施工管理 | 561万円 |
電気技術者 | 604万円 |
営業職 | 503万円 |
九電工の職種別平均年収(参照: 同社IR)
賞与・ボーナス
平均ボーナスは約120万円から180万円程度で、年2回支給されることが一般的です。
九電工の年収は、業界内でも高い評価を受けています。自分のスキルや経験に見合った年収がどれくらいなのか、気になりませんか?「適正年収診断」を使うと、簡単な経歴を入力するだけで、あなたにぴったりの適正年収を具体的に知ることができます。自分の価値を再確認するための第一歩として、ぜひ試してみてください。

充実した待遇と福利厚生
九電工では、社員の生活基盤を支える手厚い待遇が用意されています。
- 給与水準:大手ゼネコン上位の給与体系
- 住宅支援:社宅・寮制度が充実(※光熱費込みで月2〜3万円程度)
- ワークライフバランス:育児休暇や介護休暇、健康保険や年金制度
また、女性の働きやすい環境や制度の整備も進められています。男女ともにワークライフバランスを重視した制度も整備されており、育児・介護休暇の取得実績も年々増加傾向にあります。
公共事業を支える安定した基盤
九電工の事業の中核を担うのは、景気変動の影響を受けにくい公共事業です。電力設備工事や空調・給排水衛生工事などの分野で、安定した需要を獲得しています。
実際に、2024年3月期の売上高は4,690億円を超え、前年同期比で15.9%増加しました。これは、公共事業分野での堅調な業績が大きく貢献しています。また、2025年3月期には、売上高が5,000億円に達すると予想されており、今後も安定した成長が見込まれます。
年度 | 売上高(個別) | 売上高(連結) |
---|---|---|
2019 | 3651億円 | 4289億円 |
2020 | 3374億円 | 3919億円 |
2021 | 3226億円 | 3766億円 |
2022 | 3330億円 | 3958億円 |
2023 | 4048億円 | 4690億円 |
出典:九電工IR
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九電工の口コミ
ここでは弊社が運営する建設業界に特化した転職サービスの「ジョブリー建設」に登録頂いた方からの口コミを基に、同社の働きやすさや職場環境について詳しく見ていきます。

九電工で電気工事士として働いています。主にオフィスビルや商業施設などの現場で、配電盤の設置や電線配線などの施工を担当しています。覚えることは多いですが、先輩方が丁寧に指導してくれるので、安心して仕事に取り組めます。研修制度も充実していて、電気工事士としての基礎知識から応用的な技術まで、幅広く学ぶことができます。 現場で実際に工事を完了させたときは、大きな達成感を味わえますし、自分の成長を実感できます。 最近は、太陽光発電システムの設置工事にも携わるようになり、新しい技術を学ぶ機会にも恵まれています。体力的にきついと感じることもありますが、社会に貢献している実感があり、やりがいを感じながら働いています。

現場でのサポートと成長環境
九電工で空調管工事の施工管理を担当しています。主に病院や工場などの現場で、空調設備の設置工事を管理しています。 年収は約800万円ほどで、基本給に加えて残業代や資格手当、賞与などが支給されます。残業はプロジェクトの進捗状況によって変動しますが、平均すると月に40時間くらいです。 現場では、協力会社との調整や工程管理、安全管理など、様々な業務に携わります。責任は重大ですが、その分やりがいも大きいです。 工事全体を管理する立場として、自分の判断がプロジェクトの成功に大きく影響することを実感できるので、常に緊張感を持って仕事に取り組んでいます。

管理職としての仕事は、部下の指導や育成、プロジェクト全体の進捗管理、顧客との折衝など多岐に渡ります。チームマネジメントや人材育成には苦労も多いですが、メンバーが成長していく姿を見るのは大きな喜びです。また、安全管理や品質管理など、現場で発生する様々な問題を解決していくことも重要な仕事です。
責任は重大ですが、その分やりがいも大きいです。大規模な建物の電気工事を成功させたときには、大きな達成感を味わえます。 また、自分の仕事が社会インフラの整備に貢献しているという実感があり、責任感とやりがいを持って仕事に取り組んでいます。
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結論:九電工は働きがいのある日本随一の企業
九電工は、日本の生活インフラを支える企業として、他の追随を許さない圧倒的な存在感を示しています。
- 技術力:九州電力グループの中核を担う総合エンジニアリング企業
- 待遇:高年収や充実した福利厚生、公共事業を中心とした安定性
- 成長機会:大規模プロジェクトを通じた確実なキャリアアップ
- 社会貢献:電力設備や空調・給排水工事などによる社会インフラへの貢献
このような総合的な強みを持つ九電工は、建設業界でのキャリアを目指す方にとって、間違いなく最も魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
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