清水建設の年収は1,012万円｜年齢別・役職別給与や施工管理のリアルを解説

清水建設の平均年収は1,012万円

参照：清水建設株式会社 有価証券報告書（2024年3月期）

清水建設の平均年収は1,012万円です。平均年齢は43.7歳、平均勤続年数は15.8年と、定着率が高く長期的に働ける職場なのが魅力です。

直近では前年（971万円）から約40万円アップしており、業界全体の人材不足を背景とした大幅なベースアップ（賃上げ）や賞与水準の維持により、確実な回復傾向にあります。

スーパーゼネコン5社の年収ランキングで比較

※各社最新の有価証券報告書および公表データより作成

スーパーゼネコン5社の平均年収を比較すると、清水建設は1,012万円で第5位となっています。1位の鹿島建設とは151万円の差があり、4位の大成建設とも34万円の開きがあるのが現状です。

平均年齢（43.7歳）は上位の鹿島建設（44.3歳）より若く、5社の中で最も高い年収水準ではないものの、年収1,000万円を確実に目指せる環境といえます。

建設企業の規模別年収比較

建設業界全体で見ると、企業規模によって年収に大きな差があります。

清水建設の平均年収1,012万円は、スーパーゼネコンの中でも最上位に位置します。中堅ゼネコンと比較すると300万〜500万円、地場ゼネコンとは600万円以上の差がつく計算です。

同じ施工管理職でも、所属する企業によって生涯年収は大きく変わります。仮に30年間勤務した場合、地場ゼネコンとの年収差は累計で1億円以上になる可能性もあります。

清水建設の年代別年収

※有価証券報告書および独自ヒアリングデータに基づく推計値

20代：若手・主任クラス｜28歳で年収750万円

清水建設の大卒総合職の初任給は28.5万円です。1年目からボーナスが満額支給される2年目には、残業代と現場手当を含めて年収550万円を超えます。28歳前後で主任に昇格すると、現場監督であれば残業代込みで年収750万円に到達します。

30代：係長・課長代理クラス｜35歳で年収1,020万円

清水建設では30代前半で係長、30代後半で課長代理に昇進するのが一般的です。係長クラスからボーナスの加算額が大きくなり、残業の多い現場担当であれば35歳で1,020万円を突破します。地方ゼネコンの同年代と比較して、2倍近い年収差が生まれるタイミングです。

40代：課長・工事長クラス｜45歳で年収1,350万円

40歳前後で課長に昇進し、ここから管理職待遇となります。残業代はなくなりますが、高額な役職手当と業績連動賞与により、年収はさらに安定します。大規模現場を仕切る統括工事長（所長）であれば、45歳で年収1,350万円を確実に手にします。

50代：部長・現場所長クラス｜50代で年収1,500万円超

50代は部長職や大規模プロジェクトの現場所長が中心となります。責任の重さに比例して報酬も跳ね上がり、部長クラスの平均は1,500万円です。さらに支店長になれば2,000万円以上、執行役員へと昇進を重ねれば3,000万円を超えるトップクラスの報酬が得られます。

清水建設への中途入社・転職で年収はどれくらい上がる？

清水建設への転職難易度は非常に高いですが、即戦力となる施工管理経験者には広く門戸が開かれています。近年はキャリア採用（中途採用）を大幅に強化しており、プロパー社員と遜色ないスピードで昇進・昇給が可能です。

地場ゼネコンや中堅ゼネコンからの転職であれば、年収250万〜400万円アップは十分に現実的です。
例として、現年収550万円の32歳・施工管理職が清水建設に転職した場合、入社時点で年収780万円（230万円アップ）、30代後半で1,000万円以上が見込めます。

建築施工管理・現場監督の年収目安

清水建設の建築施工管理職には、主に正社員（グローバル職・エリア職）と、地域限定で活躍する専任職（契約社員等）の形態があります。

正社員（グローバル職）の年収目安

清水建設の正社員は、経験・年齢に応じて月給が決定されます。賞与は年2回（6月・12月）支給され、業績連動分が大きく年収を押し上げます。通勤手当・時間外手当・別居手当・住宅手当に加え、独身寮や社宅制度が非常に手厚いのが特徴です。グローバル職は日本全国および海外勤務の可能性があります。

専任職（エリア限定・契約含む）の年収目安

清水建設の専任職は、特定の地域に根ざして働きたい方に適した区分です。月給25万円前後からスタートし、役割に応じて昇給します。優秀な方については、正社員への登用制度も整備されており、現場での実績が正当に評価される環境です。

最大のメリットは、勤務地を限定できる点です。自身の生活拠点に近い支店（北海道・東北・北陸・関東・東京木工・横浜・千葉・名古屋・関西・四国・広島・九州等）に所属し、転居を伴う転勤なしでキャリアを積むことが可能です。

正社員（グローバル）と専任職の比較

清水建設の施工管理は、伝統的な社寺建築から超高層ビル、大規模な医療・研究施設まで、地図に残る多様なプロジェクトに携わります。業界をリードする「Shimz Smart Site（ロボット施工）」などの先端技術に触れながら、最高峰の現場管理スキルを磨くことができます。土木施工管理・現場監督の年収目安

土木施工管理・現場監督の年収目安

土木施工管理・現場監督の年収目安清水建設の土木施工管理職も建築と同様に、正社員（グローバル職・エリア職） と 専任職（契約社員等） の2つの雇用形態があります。

正社員（グローバル職）の年収目安

清水建設の土木系正社員は、月給28.5万円以上（大卒初任給ベース）からスタート。賞与は年2回（6月・12月）で、直近では業績連動分を含め非常に高い水準を維持しています。通勤手当・時間外手当・別居手当・住宅手当などの福利厚生も充実しています。

専任職（エリア限定）の年収目安

清水建設の土木系専任職は、月給25万円以上からスタート。契約社員としてのスタートでも、1年以上勤務で昇給の可能性があり、優秀な方については正社員への登用実績も多数あります。応募条件は「1級土木施工管理技士の資格」が重視され、経験を活かして地元で働きたい層に人気です。

正社員と専任職の比較

清水建設の専任職（契約社員等）は、勤務エリアを限定できる点が最大のメリットです。全国にある主要支店（北海道、東北、北陸、関東、東京建築、東京土木、東京木工、横浜、千葉、名古屋、三重、関西、神戸、四国、広島、九州）の中から、自身の希望する拠点を選んで働くことが可能です。U・Iターン希望の方にも適しています。

設計職（意匠・構造・設備）の年収目安

清水建設の設計職（意匠・構造・設備設計）の年収も、基本給テーブルは施工管理と同水準です。

現場監督ほど現場手当（作業所手当）がつきにくい反面、内勤でも安定した残業代が支給されます。清水建設の設計部門は「伝統建築の継承」から「スマートシティの設計」まで幅広く、高い専門性が求められます。中途採用では一級建築士資格に加え、大手設計事務所やゼネコンでの実務経験が重視されます。

事務職（内勤）の年収目安

清水建設の事務職（管理部門・営業・管理）は、技術職に比べると現場手当がない分、年収レンジは落ち着きますが、安定感は抜群です。

事務職の年収は配属部門によりますが、一般的に550万〜850万円程度が主なレンジとなります。技術職のような現場手当はつきませんが、賞与や住宅手当（独身寮・社宅）が同様に適用されるため、可処分所得は同年代の一般事務に比べて圧倒的に高くなります。

清水建設の役職別年収

鹿島建設は年功序列の傾向が比較的強く、勤続年数に応じて着実に昇給・昇進していく給与体系です。
役職に就くと基本給に加えて役職手当が加算されるため、年収が大きく上がります。。

※有価証券報告書および独自ヒアリングに基づく推計値（残業・諸手当込）

清水建設の年収が高い2つの理由

高度な技術力と「人財」への積極投資

清水建設の年収が高い最大の理由は、他社には真似できない高度な専門技術を要するプロジェクトを独占的に手がけているからです。同社は伝統建築の修復（国立代々木競技場、出雲大社等）から、最先端のロボット施工（Shimz Smart Site）まで、極めて高い技術力が求められる案件を数多く保有しています。

こうした高難度のプロジェクトを完遂するには、優秀な技術者の確保が不可欠です。清水建設は2024年4月、従業員平均で3.1%のベースアップを実施（定期昇給を含めた賃上げ率は5.7%）しました。人材獲得競争が激化する中、高い年収を維持することで、業界最高峰の「人財」を繋ぎ止める戦略をとっています。

2025年3月31日時点の従業員数は11,163名に達しており、近年は6年連続で増加傾向にあります。これは、高水準な年収と「誠実なものづくり」ができる環境が、若手から中堅層まで幅広く支持されている証拠と言えるでしょう。

V字回復の業績を賞与・賃上げで社員に還元

もう一つの理由は、回復した業績をしっかりと社員の待遇改善に繋げていることです。

清水建設の2025年3月期の連結業績見通しは、営業利益780億円（前期比+9.8%）、当期純利益750億円（前期比+13.6%）と大幅な増益を見込んでいます。一時期の資材高騰による影響を乗り越え、現在は手持ち工事の採算性が向上しており、この収益の改善がボーナス（年間一時金）やベースアップの原動力となっています。

また、同社は中期経営計画において、2030年に向けた「非建設事業」の拡大も掲げています。不動産開発やエネルギー事業など、建設以外の収益基盤が育ち始めていることも、将来にわたる高年収を支える安定的な土台となっています。国内市場の波に左右されにくい多角的な収益構造こそが、年収水準を押し上げる要因となっています。

清水建設の転職難易度と選考情報

結論から言うと、清水建設への転職難易度は非常に高いです。国内最高峰の技術力を誇るスーパーゼネコンであり、年収水準やブランド力の高さから、常に優秀な人材が全国から集まります。

しかし、近年はキャリア採用（中途採用）の枠を拡大しており、実務経験と資格を持つ即戦力層には大きなチャンスがあります。2024年度の中途採用比率は35〜36%程度と上昇傾向にあり、多様なバックグラウンドを持つ中途入社者が各現場の中核として活躍しています。

清水建設の求める人物像

• 「真摯な姿勢」と「高い協調性」
  渋沢栄一翁の教えである「論語と算盤（道徳と経済の合一）」を重んじる同社では、誠実かつ一生懸命に仕事へ取り組み、チームワークを大切にできる人材が強く求められます。
• 主体性と変化への適応力
  「Shimz Vision 2030」に向け、建設事業の枠を超えた新しい価値創造にチャレンジできる向上心と、環境の変化を柔軟に受け入れ自ら学び続ける姿勢が重視されます。
• 高度な専門性と実務実績
  グローバル職の多くでは、建築・土木等の現場における3年以上の実務経験や、1級建築施工管理技士・一級建築士などの国家資格保持が必須条件となります。

選考フローと期間

清水建設の中途採用の選考プロセスは、おおむね以下の流れです。

1. 書類選考（履歴書・職務経歴書・ES）
2. Web適性検査（SPI形式など）
3. 面接（通常2回〜3回）
4. 内定

選考期間は約1ヶ月〜1.5ヶ月が一般的ですが、慎重な選考を行うためポジションによっては2ヶ月以上を要する場合もあります。

面接では「真面目さ」「慎重さ」「誠実さ」といった、スーパーゼネコンの中でも特に清水らしいと言われる人柄が目立つ社員が多い傾向にあります。圧迫感はなく、自由闊達な雰囲気で対話が行われますが、これまでの経験で「周囲と協調して困難を乗り越えたエピソード」などは深く掘り下げられます。

単なるスキルだけでなく、「清水建設の社風にマッチするか」「長く貢献してくれるか」という人物像を問われます。創業以来培われた伝統と誠実さを理解し、自信を持ってこれまでの実績をアピールしましょう。

転職エージェントを活用して選考を有利に進める

清水建設への転職難易度は高く、ネット上の情報だけでは実際の職場環境がわからず不安という方も多いでしょう。

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まとめ：清水建設は「安定×高収入」の建設キャリア最高峰

最後に要点を整理します。

今の会社で「給料が安い」「休みがない」と嘆いているだけでは、来年の年収は変わりません。
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まずはエージェントに登録し、「自分のキャリアで清水建設に行けるか？」を確認することから始めましょう。その一歩が、年収1000万への最短ルートです。

清水建設の年収に関するFAQ

※ 免責事項

本記事の情報は、清水建設の公式ウェブサイトで公開されている情報（2025年1月時点）、国土交通省のデータ、およびその他の情報源を基に執筆しています。可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、情報の正確性を保証するものではありません。また、本記事における推測や考察は、公開情報に基づく筆者独自の見解であり、清水建設の公式見解ではありません。本記事の内容はあくまで参考情報としてご利用ください。

参照・参考元

清水建設株式会社　公式HP

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」