この記事では、額面100万円のボーナスの手取りと、手取りを100万円にするために必要な額面の両方を2026年度の最新料率で計算します。同じ額面100万円でも手取りが71万円台から81万円台まで開く理由と、その差を生む仕組みまで具体的な数字で解説します。
ボーナスの「手取り100万円」と「額面100万円」は別の話
「ボーナス 手取り100万」で調べる方には、2つのパターンがあります。支給明細に100万円と書かれていて実際の振込額を知りたい方と、振込額を100万円にしたいので必要な額面を知りたい方です。答えが大きく違うので、先に両方の結論を出します。
- 額面100万円のボーナス → 手取りは約71万円〜82万円
- 手取り100万円にしたい → 額面は約122万円〜140万円必要
額面100万円のボーナスの手取りは71万〜82万円
ボーナスの手取りを調べると、記事によって「約70万円」「約75万円」「約78万円」とバラバラの数字が出てきます。どれかが間違っているわけではありません。額面100万円のボーナスの手取りは、そもそも一つの数字に定まらない仕組みになっているのです。
下の表は、東京都の協会けんぽ・扶養親族なし・40歳未満・一般の事業という条件で、前月の給与だけを変えて計算した結果です。
| 前月の給与(額面) | 社会保険料 | 所得税 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 146,900円 | 34,840円 | 818,260円 |
| 40万円 | 146,900円 | 69,681円 | 783,419円 |
| 50万円 | 146,900円 | 121,942円 | 731,158円 |
| 60万円 | 146,900円 | 139,362円 | 713,738円 |
同じ額面100万円でも、手取りの差は10万4,522円。社会保険料は全員同じ14万6,900円なのに、所得税だけが3万円台から13万円台まで動いています。この理由は後ほど詳しく説明します。
手取りを100万円にするには額面122万円以上が必要
逆に、振込額を100万円ちょうどにしたい場合の額面を逆算します。こちらも前月の給与によって変わります。
| 前月の給与(額面) | 手取り率 | 手取り100万円に必要な額面 |
|---|---|---|
| 30万円 | 約81.8% | 約122万2,000円 |
| 40万円 | 約78.3% | 約127万7,000円 |
| 50万円 | 約73.1% | 約136万8,000円 |
| 60万円 | 約71.4% | 約140万1,000円 |
皮肉なことに、普段の給与が高い人ほど、手取り100万円を達成するために必要な額面は大きくなります。月収60万円クラスの方が手取り100万円を受け取るには、額面140万円のボーナスが必要という計算です。
ボーナス100万円から引かれる4つのお金【2026年度の最新料率】
ボーナスから天引きされるのは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税の4つです。2026年4月からはここに子ども・子育て支援金が加わりました。
社会保険料は誰でも14万6,900円で固定
社会保険料はボーナスの金額に決まった率をかけるだけなので、額面100万円なら誰でも同じ金額になります。東京都・協会けんぽ・40歳未満の場合の内訳です。
| 項目 | 本人負担率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 4.925% | 49,250円 |
| 厚生年金保険料 | 9.15% | 91,500円 |
| 雇用保険料 | 0.5% | 5,000円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% | 1,150円 |
| 合計 | 14.69% | 146,900円 |
健康保険料率は都道府県ごとに違い、令和8年度の東京都は9.85%(労使折半で本人4.925%)です。厚生年金は全国一律18.3%で固定されています。40歳以上65歳未満の方は介護保険料1.62%(本人0.81%)が上乗せされ、控除額は15万5,000円になります。
なお雇用保険料率は令和8年4月から引き下げられ、一般の事業の労働者負担は0.55%から0.5%になりました。ボーナス100万円あたり500円の負担減です。
2026年4月から「子ども・子育て支援金」が加わった
去年のボーナス明細と見比べて、知らない項目が増えていることに気づいた方もいるはずです。2026年4月に始まった子ども・子育て支援金制度によるもので、健康保険に加入している全員が対象になります。
令和8年度の支援金率は全国一律0.23%。健康保険料と同じく労使折半なので、本人負担は0.115%です。額面100万円のボーナスなら1,150円が引かれます。金額としては大きくありませんが、制度開始後に段階的な引き上げが予定されている点は知っておいて損はありません。
同じ100万円なのに手取りが10万円以上変わる理由
ここが、ボーナスの手取りでもっとも誤解されている部分です。明細を見て「引かれすぎだ」と感じたとき、多くの人は税率そのものを疑います。しかし本当の原因は別のところにあります。
所得税率を決めるのは「前月の給与」
ボーナスの所得税は、ボーナスの金額では決まりません。国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、ボーナスが支給された前月の給与から社会保険料を引いた金額と、扶養親族の人数の2つで税率が決まります。
令和8年分の算出率表で、扶養親族なしの場合の主な区分は以下のとおりです。
| 前月の社会保険料控除後の給与 | 税率 |
|---|---|
| 9万4,000円以上26万円未満 | 4.084% |
| 26万円以上30万9,000円未満 | 6.126% |
| 30万9,000円以上34万2,000円未満 | 8.168% |
| 40万2,000円以上43万3,000円未満 | 14.294% |
| 43万3,000円以上52万円未満 | 16.336% |
注目すべきは区分の刻みの細かさです。前月の給与が数千円違うだけで税率が2%以上跳ね上がることがあります。額面100万円のボーナスなら、2%の差はそのまま1万7,000円の差になります。
残業が多かった月の翌月にボーナスが出ると手取りが減る、という現象が起きるのはこのためです。前月にたまたま残業代がついて給与が膨らむと、その分だけボーナスの税率が上の区分に押し上げられます。
扶養親族の数でも手取りは変わる
税率のもう一つの決定要因が扶養親族の人数です。前月の社会保険料控除後の給与が34万円だった場合、扶養親族の数によって税率は次のように変わります。
| 扶養親族の数 | 税率 | 額面100万円の所得税 |
|---|---|---|
| 0人 | 8.168% | 69,681円 |
| 1人 | 6.126% | 52,260円 |
| 2人 | 6.126% | 52,260円 |
| 3人 | 4.084% | 34,840円 |
扶養親族が3人いれば、同じ前月給与でも所得税は約3万5,000円安くなります。扶養控除等申告書を会社に出し忘れていると、この軽減が一切効かない乙欄が適用されます。乙欄の税率は最低でも10.21%からのスタートです。心当たりがある方は、まず提出状況を確認してください。
「引かれすぎ」と感じた人が見落としている3つの事実
住民税はボーナスから引かれない
毎月の給与明細に並んでいる住民税は、ボーナスからは天引きされません。住民税は前年の所得をもとに年税額が確定し、6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から徴収される仕組みだからです。
ただし安心しきるのは早計で、今年のボーナスは来年度の住民税に反映されます。ボーナスが大きく増えた翌年は、6月以降の給与の手取りが下がる点は頭に入れておいてください。
引かれすぎた所得税は年末調整で戻る
ボーナスから天引きされる所得税は、あくまで概算です。前月の給与という一時点の数字だけで税率を決めている以上、年間の正しい税額とはズレます。
このズレを精算するのが年末調整です。前月にたまたま残業が多くて高い税率を適用された人は、その差額が12月に還付されます。生命保険料控除や住宅ローン控除を申告していれば、還付額はさらに増えます。ボーナスの時点で引かれすぎた分が、取られっぱなしになるわけではありません。
ボーナスが大きいほど手取り率は上がる
社会保険料には上限があり、上限を超えた部分には保険料がかかりません。
- 厚生年金:1回のボーナスにつき150万円が上限
- 健康保険:年度の累計573万円が上限
額面200万円のボーナスが出ても、厚生年金保険料の対象になるのは150万円まで。残りの50万円には厚生年金保険料がかかりません。ボーナスの金額が大きくなるほど、社会保険料の負担率は下がっていきます。額面100万円で「引かれすぎ」と感じている段階では、まだこの恩恵の手前にいるということです。
ここまで読んで、控除の仕組み自体は自分ではどうにもできないと感じた方も多いはずです。手取りを動かせる余地は、実のところ支給額そのものにしか残っていません。今の会社の賞与水準が業界の中でどのあたりなのかを、一度確かめておく価値はあります。
ボーナス100万円は高いのか|平均データとの比較
年末賞与の平均は42万6,337円
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2025年の年末賞与の労働者一人平均は42万6,337円(事業所規模5人以上、前年比2.9%増)でした。
この数字と比べると、1回のボーナスで額面100万円は全国平均のおよそ2.3倍にあたります。周囲と比べて少ないのではと不安になっていたなら、その心配は不要です。年2回の支給で年間200万円のボーナスとなれば、上位に入る水準といって差し支えありません。
建設業でボーナス100万円が見える会社
1回100万円のボーナスは、年収でおおむね800万円を超えるあたりから現実味を帯びてきます。建設業界では、大手ゼネコンやプラントエンジニアリング、電力・鉄道系のグループ会社がこの水準に届きます。
プラント分野ではJFEエンジニアリングの平均年収が1,083万円と、賞与だけで100万円を超える水準に達しています。
ゼネコンでは西松建設が平均975万円、準大手では奥村組が974万円と、いずれも高い水準にあります。
発注者側に回ると賞与の安定感はさらに増します。都市再生機構は平均826万円で、独立行政法人ならではの安定した支給が特徴です。年代別の手取りまで確認したい方はユアテックの年収735万円の内訳も参考になります。
手取りを増やす一番の近道は支給額そのものを上げること
ここまで見てきたとおり、控除される社会保険料の率は法律で決まっていて、個人の工夫で下げられるものではありません。iDeCoや生命保険料控除で所得税を多少圧縮できても、動く金額は年間で数万円の範囲にとどまります。
手取りを本当に変えるのは、額面そのものです。額面100万円の手取りが78万円なら、額面が130万円になれば手取りは100万円を超えます。控除率と格闘するより、賞与の支給水準が高い環境に移るほうが、金額のインパクトは桁違いに大きいという現実があります。
建設業界は人手不足を背景に、経験者の賞与水準が上がりやすい状況が続いています。同じ施工管理の経験でも、次の3点で賞与の出方は大きく変わります。
- 元請けか下請けか:利益率がそのまま賞与原資に反映される
- 民間案件か官公庁案件か:官公庁中心の会社は業績の波が小さく賞与が安定しやすい
- 業績連動か固定月数か:固定月数の会社は好況期でも賞与が伸びにくい
今の待遇が適正かどうか判断がつかないなら、業界の相場を持っている第三者に一度確認してみてください。
まとめ
ボーナス100万円の手取りのまとめ
- 額面100万円の手取りは71万〜82万円。前月の給与で10万円以上の差が出る
- 社会保険料は14万6,900円で固定、変動するのは所得税だけ
- 2026年4月から子ども・子育て支援金0.115%が新たに加わった
- 住民税はボーナスから引かれず、引かれすぎた所得税は年末調整で戻る
- 手取り100万円を受け取るには額面122万〜140万円が必要
控除の内訳が分かれば、明細を見たときのもやもやは解消します。次に動かせるのは額面のほうです。
ボーナス100万円の手取りに関するよくある質問
ボーナス100万円の手取りは結局いくらですか?
ボーナスの手取りを100万円にするには額面いくら必要ですか?
ボーナスから住民税は引かれますか?
引かれすぎた所得税は戻ってきますか?
ボーナス100万円は平均と比べて高いですか?
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