この記事では、建設業の離職率を厚生労働省の雇用動向調査の数字で確認します。令和6年は10.0%で産業計14.2%より低く、高いのは率そのものではなく、高卒の3年以内離職率と欠員の補充です。推移、離職理由、対策の順に整理します。
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建設業の離職率は高い?厚生労働省の数字で見る現状
現場で欠員が出ると、「建設業の離職率は高い」と社内で語られがちです。先に示すのは感覚的な話ではなく、厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」のデータです。年ごとの増減を見るときは、厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」もあわせて見ます。
建設業の年間離職率は10.0%、産業計は14.2%です。率だけを見ると、建設業は全産業より低い水準にあります。
| 区分 | 入職率 | 離職率 | 入職超過 |
|---|---|---|---|
| 建設業(令和6年) | 11.7% | 10.0% | +1.7ポイント |
| 産業計(令和6年) | 14.8% | 14.2% | +0.6ポイント |
| 建設業(令和5年) | 10.0% | 10.1% | ▲0.1ポイント |
| 建設業(令和4年) | 8.1% | 10.5% | ▲2.4ポイント |
| 産業計(令和4年) | 15.2% | 15.0% | +0.2ポイント |
| 建設業(令和7年上半期) | 6.6% | 5.0% | +1.6ポイント |
建設業の離職率推移|令和6年は10.0%
同じ調査では、建設業の入職は29.4万人、離職は25.03万人です。入職が離職を4.37万人上回る一年間でした。令和5年は離職超過(▲0.1ポイント)、令和4年は▲2.4ポイントでした。入職超過か離職超過かは、年によって変わります。
- 離職率10.0%は、産業計14.2%より4.2ポイント低い
- 入職率11.7%なので、人数の出入りだけを見ると純増です
- それでも現場が楽にならない理由は、このあと率と人数を分けて見ます
建設業の離職率ランキング|令和4年は離職超過
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」では、建設業の入職率8.1%、離職率10.5%、入職超過率▲2.4ポイントでした。常用労働者272.58万人に対し、入職22.05万人、離職28.71万人です。産業別に並べると、離職率が最も高いのは宿泊業・飲食サービス業の26.8%で、建設業の10.5%は産業計15.0%より低い水準です。

出典:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」図3-1・図3-2。建設業は入職8.1%・離職10.5%(入職超過▲2.4ポイント)。産業計は入職15.2%・離職15.0%。本文の最新値は令和6年(離職10.0%)です。
同じ年の産業計は入職15.2%、離職15.0%です。建設業の離職10.5%は産業計より低い一方、人数では離職が上回っています。令和3年は入職9.7%、離職9.3%の入職超過でした。
- 令和4年は離職超過です。令和6年の入職超過だけを見て、「低いから安心」と判断しないでください
- 率では産業計より低くても、人数では離職28.71万人が入職22.05万人を上回ります
- 図の令和4年と本文の令和6年(離職10.0%)は、参照している年が違います
一般とパートで率は分かれる
建設業の10.0%は、常用労働者全体の数字です。就業形態別に見ると、数字は変わります。
| 就業形態(建設業・令和6年) | 入職率 | 離職率 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 一般労働者 | 11.7% | 9.7% | 入職超過+2.0ポイント |
| パートタイム | 12.2% | 15.9% | 離職超過▲3.7ポイント |
正社員中心の現場では、9.7%を低いと見て問題ありません。日雇いに近い働き方が残る班では、15.9%のほうが実態に近いことがあります。全社平均の10.0%だけを改善目標にすると、パート側の離脱が隠れます。
令和7年上半期も入職超過
厚生労働省の「令和7年上半期雇用動向調査」では、建設業の入職率6.6%、離職率5.0%です。入職16.82万人、離職12.85万人で、半期でも入職超過が続いています。
- 半期の5.0%を2倍しても、通年の10.0%と同じようには扱えません
- 「辞める人が多いから人がいない」だけだと、対策が退職面談に偏ります
- 本当の問題は、辞めた人と入った人の職種や習熟度が一致していないことです
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離職率の数字の読み方|率・人数・入職超過
建設業の離職率を会議に出すときは、率、人数、就業形態をセットにします。率だけを前年と比べても、工期の遅れは解消しません。
採用担当が「離職率が高い」と感じるとき、見ているのは率そのものではなく、欠員1人で班が止まる痛みです。10.0%を「問題ない」と判断すると、職長や施工管理の空きが残ります。
率と人数を分けて見る
| 見方 | 令和6年の数字 | 会議での使い方 |
|---|---|---|
| 離職率 | 10.0% | 産業計14.2%より低い。通説を直す材料 |
| 入職率 | 11.7% | 入口は閉じているわけではない |
| 離職人数 | 25.03万人 | 率ではなく実数で欠員規模を見る |
| 入職人数 | 29.4万人 | 純増でも職種が一致するかは別問題 |
離職25.03万人を「多い」と見るか、「産業の規模に対して低い率」と見るかで、対策は変わります。上司には、率と人数を1枚の表にまとめて渡してください。
入職超過でも現場が楽にならない理由
入職29.4万人、離職25.03万人なら、計算上は人が増えています。現場が止まるのは、入った人をすぐ配置できないときか、辞めた人と職種が違うときです。
- 未経験入職と、職長退職が同じ「1人」として相殺される
- 全社離職率を1ポイント下げても、配管や施工管理の空きは残る
- 同じ会議で、定着策と採用策の両方を議題にしてください
施工管理の空きが着工を止める理由は、施工管理の人手不足の原因で確認できます。
人数の総量と不足感は、離職率とは別の指標で見てください。建設業の人手不足の整理で、就業者数と会社の不足感を確認できます。離職率10.0%の改善と、現場を回す人数の確保は、報告では別の項目にしてください。
出勤日数と時間外上限が定着を削る
率の低さを「今の働き方で問題ない」と判断すると、次の若手は残りません。日建連が毎月勤労統計を整理した2025年値では、建設業の年間出勤日数は235日で、調査産業計より26日多いです。
休みが続く会社の見方は、施工管理のホワイト企業の見極め方で、週休と離職の数字を並べて確認できます。

出典:国土交通省北陸地方整備局資料(令和6年8月29日)。図中の出勤日数・労働時間は令和5年時点の全国値です。本文の表は2025年(出勤235日、調査産業計より26日多い)です。
| 条件 | 数字 | 定着への効き方 |
|---|---|---|
| 年間出勤日数(2025年) | 235日(産業計より26日多い) | 休日が見えない求人は若手が残りにくい |
| 時間外労働の上限 | 2024年4月から建設業にも適用 | 残業で工程を吸収すると残った人から辞める |
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。離職率10.0%は低い一方、働く日数の制約は他産業より厳しいです。
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建設業の離職理由|高いと言われる中身
よく言われる「離職率が高い」の中身は、年間10.0%ではありません。高卒の早期離職と、同じ技能の人を戻せないことです。離職理由は、率とは別の行で取ってください。
厚生労働省が示す離職理由
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概況」では、建設業だけの離職理由の内訳は出ていません。同じ調査の転職入職者が前職を辞めた理由(全産業)を見ます。
| 区分(全産業・令和6年) | 離職理由(その他を除く) | 割合 |
|---|---|---|
| 男 | 定年・契約期間の満了 | 14.1% |
| 男 | 給料等収入が少なかった | 10.1% |
| 男 | 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.6% |
| 女 | 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 12.8% |
| 女 | 職場の人間関係が好ましくなかった | 11.7% |
出典:厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概況」表5。全産業の転職入職者が前職を辞めた理由です。建設業に限った内訳ではありません。「その他の個人的理由」は男20.2%、女24.3%です。
建設業は出勤235日で、調査産業計より26日多いです。全産業で上がっている労働時間・休日と給料は、現場の離職理由として先に取る項目です。
- 離職理由は、全社離職率10.0%とは別の指標にする
- 退職面談では、労働時間・休日、給料、人間関係に分けて取る
- 高卒の3年以内離職41.4%も、この3つに寄せて見る
建設業の3年以内離職率|高卒は41.4%
厚生労働省の「新規高卒就職者の産業分類別就職後3年以内の離職率の推移」では、建設業の令和4年3月卒は41.4%です。新規学卒就職者の離職状況では全産業の高卒は37.9%で、建設雇用改善計画(第十一次)でも、建設業の高卒は全産業より3.5ポイント高いと整理されています。
| 対象(令和4年3月卒) | 3年以内離職 | 読み方 |
|---|---|---|
| 新規高卒(建設業) | 41.4% | 全産業37.9%より3.5ポイント高い |
| 新規高卒(全産業) | 37.9% | 比較の基準 |
| 新規大卒(建設業) | 30.5% | 調査産業計33.8%より低い |
| 新規大卒(調査産業計) | 33.8% | 大卒は残る側 |

出典:厚生労働省「新規高卒就職者の産業分類別就職後3年以内の離職率の推移」。令和4年3月卒の建設業は41.4%。点線の右、令和5年3月卒31.5%は2年以内、令和6年3月卒18.1%は1年以内であり、3年以内とは比べられません。
| 建設業・新規高卒 | 離職率 | 観測期間 |
|---|---|---|
| 令和4年3月卒 | 41.4% | 3年以内 |
| 令和5年3月卒 | 31.5% | 2年以内(※2) |
| 令和6年3月卒 | 18.1% | 1年以内(※2) |
技能職の入口は高卒が多い傾向があります。ここでの離職は、班の将来の人数に直結します。全社の10.0%だけを見ていると、高卒現場の離職が平均に隠れます。図の右端2本を「3年以内が下がった」と判断すると、読み違えます。
- 配属1年目の指導役と休日を、求人時点で書く
- 3年以内の離職理由を、給与・人間関係・労働時間に分けて取る
- 高卒の定着率を、全社離職率10.0%と別の指標にする
大卒3年以内は産業計より低い
厚生労働省の産業別表(令和4年3月卒)では、建設業の新規大卒3年以内離職は30.5%です。調査産業計33.8%より3.3ポイント低いので、大卒に限れば建設業は産業計より辞めにくい水準です。
「若手が辞める」を大卒と高卒で平均すると、対策がぼやけます。大卒30.5%を保つ施策と、高卒41.4%を下げる施策は、予算を分けてください。
若手比率の細りが補充を遅くする
建設雇用改善計画では、2024年の建設業就業者のうち15〜29歳は11.7%、全産業は16.9%です。60歳以上は25.8%で、全産業22.0%より高いです。退職する層が厚く、入ってくる層が細いと、離職率が低くても欠員は埋まりません。

出典:国土交通省北陸地方整備局「建設業における人材確保に向けた取り組みについて」(令和6年8月29日)。図中の55歳以上35.9%・29歳以下11.7%は当時の全国値です。本文の15〜29歳11.7%は、建設雇用改善計画の2024年値です。
29歳以下の比率と、若手が残らない会社の条件は、離職率とは別に見てください。離職率を議題にする会議では、年齢構成も1行加えてください。
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離職を止める定着策と対策
定着策は「待遇を良くする」だけでは、会議の説明として足りません。高卒の若手、労働時間、賃金、外部からの補充の順で、誰の離職を止めるかを先に決めてください。
| 対象 | 打ち手 | 根拠になる数字 |
|---|---|---|
| 高卒若手 | 1年目の指導役・休日・配属を求人に書く | 高卒3年以内41.4% |
| 大卒 | 30.5%を産業計以下に保つ。配属の食い違いを減らす | 大卒3年以内30.5% |
| 全社 | 離職率10.0%より、同じ技能の人が戻らない職種の欠員日数を見る | 離職25.03万人、入職29.4万人 |
| 条件 | 出勤日数と時間外を求人で見せる | 出勤235日、2024年4月から上限規制 |
| パートが多い班 | 15.9%を別指標にする。日給のまま休むと手取りが減る条件を見直す | パート離職15.9% |
高卒1年目の配属と休日を先に決める
建設業の離職率を下げる効果が大きいのは、人数の多い高卒現場の初期離職です。全社研修を厚くするより、配属先の職長と休日を先に決めることです。
- 入社直後の面談を、現場代理人ではなく人事が取る
- 初年度の出勤イメージは235日前提で話してください。後から知った人のほうが辞めやすいです
- 指導役が退職予定の班には、新卒を置かない
施工管理の欠員が工程を止めるとき、自社求人だけでは届かない層があります。施工管理の派遣の使い方で、欠員を埋める経路を確認できます。定着策の対象を「若手全員」にすると、職長候補と技能職として入った高卒が同じ研修になります。
正社員の施工管理を紹介で埋める手数料と返戻は、施工管理の人材紹介の見方で確認できます。
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労働時間と賃金の見せ方を変える
2024年の時間外上限と、出勤235日は、求職者側も比較できる数字です。「忙しいが稼げる」だけでは、上限規制のあと残り続ける理由にはなりません。
- 月の所定外と閉所日を、職種別に求人へ書く
- 日給・日給月給のまま休日を増やすと、職人の手取りが下がる
- 雨天や猛暑の休工でも給料が残る月給へ変えないと、休みは「減収」に見える
離職率10.0%でも、求人の休日欄が空欄なら応募は止まります。土曜出勤が月何回残るかを、先に決めてから「週休2日」と書いてください。
自社だけでは埋まらない層を外部で補う
定着策を進めても、辞めた職種と同じ習熟度の人が翌月戻るとは限りません。自社媒体で動く層と、紹介で候補の有無を確認する職種を分けてください。
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- 紹介:施工管理など、入職29.4万人の内訳と欠員の職種が一致しない層
- 判断:欠員日数と工程遅延の損失を、紹介手数料と比べてください
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ジョブリー建設の口コミ・評判

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- 50代
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兼務のまま、使っている媒体の運用と面接調整まで任せられました。
人事が総務と兼務のため、求人の更新、スカウト送信、紹介会社への共有まで手が回らず、有資格者の採用が後回しになっていました。現場からは人が足りないと催促されるのに、応募対応と面接調整で一日が終わる状態でした。ジョブリー建設に、使っている求人媒体の運用と面接調整を頼んだところ、求人作成・数値確認・紹介会社への進捗共有まで途中で切れずに進みました。採用担当を増やさずに、欠員のフォローが回るようになったのが大きいです。 出典:独自調査(2025年10月01日〜2026年04月30日)
まとめ
建設業の離職率は高いのか|離職理由と厚生労働省の推移
- 令和6年の離職率は10.0%で、産業計14.2%より低い。高いのは率そのものではなく、欠員1人の痛み
- 入職11.7%・29.4万人、離職25.03万人。令和4年は入職8.1%・離職10.5%(▲2.4)。令和7年上半期も入職6.6%・離職5.0%
- 一般は9.7%で入職超過。パートは15.9%で離職超過。離職理由は労働時間・休日と給料が軸(全産業の厚労省表)
- 高卒3年以内は41.4%(令和4年3月卒)で全産業超。図の31.5%・18.1%は2年以内・1年以内。大卒は30.5%
- 定着は高卒初期・休日・賃金を分け、埋まらない職種は紹介も併用する
全社離職率の改善目標だけを立てると、現場の空きは残ります。職種と学歴で指標を分けた表が、採用担当の説明材料になります。
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建設業の離職率に関するよくある質問
建設業の離職率は他産業より高いですか
建設業の離職率ランキングでは何位ですか
建設業の離職率推移はどうなっていますか
建設業の3年以内離職率は何%ですか
建設業の離職率は厚生労働省のどの資料で見ますか
入職超過なら採用を減らしてよいですか
建設業の離職理由は何ですか
建設業の離職率が高いと言われる原因は何ですか
若手の離職は大卒が中心ですか
パートが多い現場でも同じ数字で見てよいですか
離職を止める定着策は何から始めますか
離職率を下げれば人手は足りますか
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